資金があったら...

お金で解決できる問題はどれくらいあるのだろうか。
オリエンテーリングのスポンサー集めを考える際に、とても重要な質問である。スポンサーから資金を集めるにはもちろん、そのスポンサーに対するどういうメリットがあるかを明確にする必要があるのだが、それ以前に、「そのお金をどういう風に使うの?そしてそれはどういう効果を期待するの?」を答える必要があるだろう。
オリエンテーリング界になんでスポンサーがつかないか、なんで集められないかの最大の理由はここにつきるだろう。良く言えば、お金がなくったってどうにでもなる。反対に言えば、お金があったとしてもその効果的な使い道が分からない。
世界選手権を例にとるととても良い。スポンサー集めは明らかに失敗している。結果として、大赤字であったが(その金額が世間一般に明らかにされないのも問題かと思うが)、でもオリエンテーリング界全体としては損失となっていない。運営の中枢であった個人個人が負担しているからだ。もちろん、それら個人が大きな負担をするということは、あってはならないことだろう。しかし意地悪な言い方をすれば、スポンサーから集めた資金の使い道は、それら個人への支払いという見方になる。
オリエンテーリング界における多くのことはこの個人の負担になりたっている。そしてそれを良しとしているし、またそれ以上のことをする必然性があまりない。これが他のお金のかかるスポーツ−たとえばスタジアムといった恒久的設備が必要なスポーツ−だったらこんなことはないのだろう。個人の力ではどうにもならない。競技者個人の負担が大きいスポーツもそうだ。アドベンチャースポーツや、モータースポーツ
では、結局オリエンテーリングは手作りのままで良いのか?そんなことはない。なぜなら、こんな手作りのスポーツでもどうしてもお金のかかることはあるからだ。そのお金のかかるところに資金をつぎ込んでいなかったことが、現在のオリエンテーリング界の低迷を招いていると言い切っても良いかもしれない。